kitunemaskの日記

2019年2月に移らされました。稀に更新してます。

日々の徒然476

ALPS処理水(処理水)ってなんぞや?って思ってほんのちょろっと調べてみたのでまとめ。中学生でもわかるように書くことが出来ればいいんだけど、中学校では教えてもらえない専門用語が出てくるはずだから、ちょっと難しいか?

 

と思いつつ書いてみたんだけど、まー長くなったね。いきなり専門用語の解説から入ってる当たり、読ませる気が無いんじゃないの?的な。結局結論は3行くらいだしww

それでも読みたいって奇特な人はどうぞ。

中学生やら高校生なら、ちょっとした勉強になるかも、ね。

 

 

まずはじめに、原子核物理関係の専門用語のざっくりとした解説

【原子】

原子核と電子から構成される。

イメージとしては、原子核の周りを電子がまわっている。木星の周りを衛星が回ってる感じで、木星の中には陽子と中性子が詰まっているイメージ。

例:水素原子は水素の原子核と1個の電子から成る

【電子】

原子を構成する主体の一つ。マイナスの電荷をもつ粒子。

原子核

原子を構成する主体の一つ。陽子と中性子から成る。プラスの電荷をもつ粒子。

【陽子】

原子核を構成する粒子のうち、プラスの電荷をもつ粒子。

陽子の数が原子番号になる。原子核には必ず含まれる。

例:水素の原子番号は1

中性子

原子核を構成する粒子のうち、電気的に中性の粒子。

陽子と違って、中性子を含まない原子核もある。

同位体

陽子数が同じで、中性子数が異なる原子核のこと。

水素原子核元素記号H)は陽子一個だけで構成される原子核。Hに中性子が1個引っ付く(融合する)と二重水素元素記号D)となり、さらに中性子が1個付くと三重水素トリチウム元素記号T))となる。

例:水素原子核同位体にはHとDとTがある。

  Hは陽子1個だけ、Dは陽子1個と中性子1個、Tは陽子1個と中性子2個からなる。

放射性同位体

同位体のうち、放射能を持つ原子核の種類のこと。

水素(H)二重水素(D)は放射能を持たないが、三重水素(T)は放射能を持つため、放射性同位体となる。ちなみに、放射性同位体ではない同位体安定同位体という。

例:トリチウムは水素の放射性同位体である。

放射性元素

放射線を出す元素の総称。放射性同位体は、同位体のうちの放射性元素のこと。

例:トリチウムは水素の同位体の一つで、放射性元素である。

放射線

原子核から出てくる高エネルギー粒子線のこと。放射性元素放射線を放出して、安定元素に変化することがある。

例:トリチウム放射線を放出する。

放射能

1.放射線を出す原子核のこと。【放射性元素】と同じ。

2.また、1.を含む物質のこと

二つの意味があるのでこんがらかるんだよね。ま、基本的には放射線を出すものってことで。個人的には、放射線を出す能力も放射能だと思っているw

【放射性崩壊・放射性壊変】

原子核放射線を放出して、別の原子核に変わること。

例:トリチウムは放射性崩壊をおこして、ヘリウムになる。

【核種】

原子核の種類のこと。同位体はそれぞれ一つの核種と数えられる。

原子は陽子の数で種類が決まる。核種は陽子と中性子の数で種類が決まる。

例:水素原子を構成する原子核には、H・D・Tの3核種がある。

 

さてー、超ざっくり専門用語の説明をしたけど、これで原子核の性質がイメージできるかなーって感じだけど、わかりやすくまとまってるかなぁ。違和感のあるところや深く知りたいところはそれぞれググってちょーよ。

 

要は、原子核が放射性崩壊するときに放射線が出るってこと。そしてその放射線は人体に悪影響を与えるんで、放射性核種は取り除かなければ安全とは言えないと。

メルトダウンを起こした炉心にはさまざまな放射性核種が存在・露出してて、炉心から取り出された放射能を含む水(これが汚染水と呼ばれるもの)はろ過(などの処理を)して放射能を取り除かないとだめ。

それら放射能をろ過して除去する装置がALPSで、ろ過されて出てきた水がALPS処理水。

なので、ALPS処理水からは汚染水に溶け込んだ放射性核種(セシウムとかストロンチウムとかそういうの)は検出されない。ただ、問題はトリチウムで、これはろ過しても取り除けない。なんでかって言うと、まずは以下の解説を。

 

【分子】

幾つかの原子が結びついた粒子。

例:H2O(水分子)はH(水素原子)が2個とO(酸素原子)が1個結合した粒子。

 

ここで、【同位体】は原子核のうちで陽子の数が同じものであり、同位体原子核としては性質は違うのだが、原子としては性質は変わらないという、混乱を極める性質を持つ。

例:

水素原子核(H)とトリチウム原子核(T)は、【原子核】としては異なる性質を示すが、電子と結合して水素【原子】となった場合、異なる性質を示さない。

 

こればっかりは、自然の法則なので仕方ない。場合分けとしては、原子核は陽子と中性子の数が性質を表す原因となるが、原子は陽子の数だけが性質を表す原因となるので、中性子の数は関係ない。つまり、中性子の数が違うだけの同位体は、原子になると性質が同じなので見分けがつかないと言うこと。

・・・うーん。ここが中学理科と高校物理の決定的な差に思えてきた。混乱するけど、混乱せずに覚えてね(はーと)

 

さてー、説明をぶん投げたところで処理水の話に戻ろう。

つまり、ろ過してセシウムとかを取り除くことが出来ても、水そのものであるトリチウム原子核とする水は取り除けない。

言い換えると、水はH2Oと一般的には表されるが実際はHが一つDやTに置き換えられた、いってみればDHOやTHOで表される水分子も存在する。ちなみに、これらは原子炉の近くだけじゃなくって、普通の自然界にも存在する。

余談だが、炭素(C)にも放射性同位体が自然界に存在し、それを利用して遺跡などの年代測定(放射性炭素年代測定法)を行っている。炭素と一言で言っても放射能を持ってたり持ってなかったりするのだ。

そして同位体を分離するのは果てしなく困難で、どれくらい困難かと言うと、原爆用ウランやらプルトニウムの濃縮が簡単に出来ないのは同位体の分離・濃縮が困難だからというくらいには難しい。・・・この説明を理解するのも難しいが。

 

さて、難解な脇道は置いといてまとめると、頑張って汚染水から放射性核種を取り除いたけど、H2OとTHOを分離するのだけは難しいので、仕方ないから最後の手段として薄めるという手段を取っているってのが、ALPS処理水を海洋放出するまでに行われてる手順の簡単な説明。

 

ふー、やっと纏まった。3行で書けることを説明するのに2000文字以上使ってるよね。まったく。だから、いろいろ誤解やらが発生するんだ。今回試みた解説も、誤解なく説明できてるかって言うとそうじゃないだろうしね。

 

さて、以上を踏まえて(まだやるんか!?)海に放出する放射線量ってのは、トリチウムによるものだと言えるんで、トリチウム以外の核種の影響について云々いうのは見当違いってことでいいんじゃないかな。

そんで、放出されるトリチウムも十分に海水で薄めてから放出してるんで、環境に影響はないって言ってるんじゃないかと。

 

まぁ、薄めても放射能だろ?っていう人は、学校のプールを思い浮かべてみたらイメージできるかも?プールには殺菌用の塩素タブレットを大量に放り込むのだが、そのタブレットをじかに食べちゃうとえらい目を見るけど、プールの水は口に入ったり目に入ったりしても大丈夫でしょ。それが、薄めるっていうこと。薄めても塩素だけどね。

ちなみに、薄めても塩素なので、プールの水を大量に一気に飲むと、塩素タブレットをじかに食べるのと同じだけの塩素を取り込むことになるのでえらい目を見るはず。なんだけど、その前に大量の水を一気に飲むことによって体に不調をきたすことになる方が先に来る。処理水のトリチウムも同じ。人体に影響を与える程度の放射能を取り込むために処理水を飲んだりすると、放射能よりも先に海水の大量摂取によって人体が影響を受ける。海水で薄めて放出された処理水をどれだけ飲まないといけないか計算したこと無いけど。

人体に影響を及ぼす放射線の量とか、処理水に含まれる線量とかはググれば出てきそうなんで、興味ある人は計算してみてもいいかも。

人体に影響のある放射線量<処理水の放出量(A)×処理水1tあたりに含まれる放射線量 で計算して、Aを求めればできるんじゃないかな。高校生でも難しいかもしれんけど、ガンバレ!

 

なんちゅうか、結論は簡単だけどちょっと専門知識が必要なことってのは、理解しにくいよね。ま、仕方ないけど。

 

・・・最後まで読む人、居るの?これ。

そんじゃ。